『KLab×SQUARE ENIX×gumi』ソーシャルゲームサウンドMeetup!に参加しました

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20181106に六本木ヒルズで開催された『KLab×SQUARE ENIX×gumi』ソーシャルゲームサウンドMeetup!に参加させていただきました。そこで得られた知見を共有したいと思います。

イベント概要

『KLab×SQUARE ENIX×gumi』ソーシャルゲームサウンドMeetup!
https://klab-creative.connpass.com/event/103807/

19:30~ [KLab]
運用を見越した初期開発でのルール作り
市川 恵津子 / EtsukoIchikawa & 標葉 千晴 / ChiharuShineha

20:00~ [SQUARE ENIX]
スクウェア・エニックス・ボイスチーム ~声と収録と編集と増え続けるタスク~
尾崎 葵 / OzakiAoi & 里中 美耶 / MiyaSatonaka

20:40~ [gumi]
「ドールズオーダー」サウンドの仕組み
林 茂樹 / ShigekiHayashi & 田中 慎哉 / ShinyaTanaka)

運用を見越した初期開発でのルール作り

命名規則

使用する箇所を元に命名すると、開発中にボイスの使用箇所が変わる可能性がある。混乱を避けるためには、連番で管理する方が分かりやすい。


VOX_キャラ名_ATK_0004

ただし、キャラによってはボイスの数などが異なる場合がある。
例として、威嚇と攻撃というボイスを各キャラに実装する際、威嚇を追加しないキャラが存在すると、連番がずれてしまう。
これを避けるには、内容自体が無いものは欠番とする。このような管理をする事で、威嚇ボイスの一括確認といった作業が、連番が同一となるので非常に楽に管理できる。

サウンドミドルウェアとは

スマホゲームの起動時などによく見かける「CRIWARE(シーアールアイウェア)」、これがサウンドミドルウェア。
役割としては、ゲーム開発において音に関連する作業を、直感的に設定できる開発システムとなります。
BGM、効果音、ボイスデータなどを一括に管理、ピッチのランダマイズを設定、同時発音数をソフトウェア側で制御など、現在のゲーム開発では必須の役割を果たしています。

ボイス作業について

ゲームのボイス作業は、様々な環境(別の日時・スタジオ・機材など)で収録された音声データを、同一環境で発せられたかのように、同じ温室で聞こえるよう整える作業です。

ボイス作業のフロー

声優さん、スタッフ、スタジオとの日程調整
ボイス収録
ボイス編集:切り出し、ノイズ取り、加工
納品・実装
デバッグ:想定した挙動で再生されているか確認

ボイス収録に必要なスタッフ

役者 声優
音響監督
エンジニア
開発スタッフ
サウンドスタッフ

スクウェア・エニックスの社内スタジオ

スクウェア・エニックスでは社内スタジオを設置し、社内収録が可能に。様々なメリットが生まれているようです。

開発のスタッフと連携がとりやすい
実装に必要な情報・仕様を把握している
全く同じ環境で収録ができる:同じ環境 スタジオ エンジニア 機材での収録
エンジニア同士の情報共有が可能
収録した本人が編集を行える
音質のバラツキがなくなる:統一されたボイス納品が可能

・社内編集のメリット
収録を行ったスタッフが、編集も行える
データの受け渡し、管理がスムーズ
セッションのバックアップが確実
迅速に納品が可能
ボイス品質の統一

突発的な収録、収録日がバッティング、収録後に即納品が必要、病欠などのトラブルが発生しても、即座に代理が可能な体制が整えられています。

「ドールズオーダー」サウンドの仕組み

ドールズオーダーは、3D空間で2vs2で闘うバトルゲームです。3D空間に対応したリッチなサウンドを、スマホで実現しています。

発音制限

CRIWAREで実現していますが、バランスを取るのが難しいようです。

当初はBGM1、SE16、VOICE4で検討していましたが、重複や処理落ちなどの問題も発生。

最終的には、各キャラにボイスを独立制御。
SE:10
JINGLE:1
VOICE:4(各キャラ1)
BGM:1
SE BOOST:4(各キャラ1)

「ドールズオーダー」距離減衰 サウンド効果

ボイスや効果音を、距離により減衰する仕組みを用意し、より臨場感の感じられるサウンドに取り組んでいます。

・パラメーターは三種類
ボリューム
プライオリティ:リスナーに近い音のみ優先して再生
バンドパスフィルター:距離に応じて高音域を低減 音がくもっていく

環境音の配置

滝の音は、ランダマイズ機能を利用した環境音。モノラル・ワンショットの軽いデータで実現。
滝に近づくと環境音が増加し、離れると弱くなる空間を実現。

「ドールズオーダー」のリップシンク

ボイスデータの、無音からdBが上がった瞬間を検知し、リップシンクの動きを発生させるというメカニズム。音量がある間は動き続け、音が止まったら止まる仕組み。

まとめ

ゲーム業界のサウンドの作り方を学ぶことで、映像制作時のサウンドデザインに役立てたいと思い参加しましたが、かなりゲームよりの内容でしたね。
それでも、ファイル管理の考え方や、限られたリソースの活用方法については、とても勉強になりました。
ありがとうございました。

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